一般ニュース 12月2008年

24/12/08 空港使用料の引き下げを要求 − ニュージーランド航空
24/12/08 デルタ航空が来年シドニーへの就航を計画
24/12/08 エアバスA380の2号機を受領 − カンタス航空
17/12/08 旅客数の増加で利益が大幅に上昇 − パース空港
17/12/08 カンタス航空と南アフリカ航空とのコードシェアー運航を2年間延長
17/12/08 ゴールドコースト/東京線を増便 − ジェットスター航空
10/12/08 シドニーでの第二空港の必要性を強調−アルバニーズ運輸相
10/12/08 英国航空との合併協議は結論が出るかどうかは不明−カンタス航空
10/12/08 また管制官が病欠で、空港が大混乱 − シドニー空港
03/12/08 政策金利を4ヶ月連続で引き下げ4.25%に − 豪連邦準備銀行
03/12/08 利益予想を前年の半分に下方修正、運航数も削減−カンタス航空
03/12/08 ブリスベン/バリ線の再開を延期−ガルーダ・インドネシア航空

                                                 

12月24日2008年 空港使用料の引き下げを要求 − ニュージーランド航空
  ニュージーランド航空は、オークランド空港、ウェリントン空港、クライストチャーチ空港に対して空港使用料の即時の引き下げを要求した。 航空会社は今までも空港使用料の引き下げを要求してきたが、今回は旅客数の減少とシンガポールでは空港料金の引き下げに積極的であることを強調している。 
  同社のノーム・トンプソンCEO代理は、「世界的な経済環境が、我々の旅客需要の刺激策を抑制している。 経済減速の際には空港も、着陸料を引き下げて航空運賃を安くするのに協力して欲しい。 シンガポールの空港当局は、チャンギ空港に運航するフライトに対して着陸料を25%割引している。 オークランド空港、ウェリントン空港、クライストチャーチ空港の着陸料は、世界的な基準から見ても高くなっている」と話した。 
  今月の初め、ニュージーランド準備銀行のアラン・ボラード総裁は、もし金利が今より下がることがあれば、すべての産業はインフレ圧力を軽減する努力をする必要があると指摘している。 トンプソンCEO代理は、「過去3ヶ月間で、ニュージーランドとオーストラリア間の運賃が15%下がっており、一部の路線では45%下がっている。 南太平洋諸国への運賃もその間に2回引き下げられている。 その他の路線でも、低運賃をオファーした路線を劇的に増やしている。 国内線でも低運賃の路線を2倍に増やした。 空港料金の引き下げは、顧客への運賃の引き下げになる」と語った。 (Source: SMH/AAP, 18/12/08 "Air NZ calls on airports to cut charges")
12月24日2008年 デルタ航空が来年シドニーに就航を計画
  英国航空との統合協議を断念したカンタス航空が直行便を運航する収益率の高いシドニー/ロサンゼルス線に新しい競争相手が出てきた。 デルタ航空が来年7月からシドニーへの就航を計画している。 今回のデルタ航空の動きと、来年2月にVオーストラリア航空が同路線に就航することは、同路線に参入を希望しているシンガポール航空がオーストラリア政府に圧力をかけるのを助け、同路線の競争が激しくなってくる。 
  ノースウェスト航空と統合し世界最大の航空会社となったデルタ航空は、ロサンゼルスからの国際線の拡大を計画している。 ロサンゼルス・タイムス紙は、同社のネットワーク計画担当上級副社長が、「旅客はデルタ航空で世界中の至るところまで行くことができるようになる。 アジア、オーストラリア、南アメリカへ旅行に行くのなら、アメリカ全土からロサンゼルスを経由して行けることになる」と報道している。 デルタ航空は、ロサンゼルスからサンパウロとブラジルへの直行便の運航も予定している。 
  一方カンタス航空は、英国航空との統合協議を断念したことについて、「カンタス航空と英国航空の統合は長期的に見てメリットがあるものの、今回は統合の主要な事項について合意することが出来なかった。 しかし、両社はワンワールドのメンバーとして、オーストラリアやUKで今後も協力していく」と説明した。  両社の統合協議は2週間前に明らかになったが、英国航空がスペインのイベリア航空との統合協議の中断に消極的であったことから頓挫した形となった。 カンタス航空の所有者に関するオーストラリアの法律も、両社の統合に向けての大きな障害であった。 (Source: LLDCN, 19/12/08 "Delta force to attack Qantas on cosy Pacific route ")
12月24日2008年 エアバスA380の2号機を受領 − カンタス航空
  カンタス航空は、同社としては2号機となるエアバスA380をフランスのトゥールーズで昨夜受領し、シドニーには12月17日に到着する予定であると今朝発表した。 同社の1号機は今年10月に受領している。 
  同社のジョン・ボーゲッティ取締役は、「当社の1号機は現在、メルボルン/シドニーからロサンゼルスに週3回運航しており、期待以上の性能である。 2号機の受領によってロサンゼルス線のA380の運航回数が週6便となる。 12月27日には3号機を受領する予定で、来年1月からロンドン線に投入する」と語った。 
  カンタス航空によると、2009年にはA380が合計4機納入され、2013年までには発注している20機すべてが揃うことになるとしている。 (Source: LLDCN, 16/12/08 "Qantas takes delivery of second A380")
12月17日2008年 旅客数の増加で利益が大幅に上昇 − パース空港

  パース空港を運営しているWestralia Airports Corporation社は、昨年度(2007年7月-2008年6月)の税引き前利益が、前年度より44%増えて8,450万ドルとなったことを発表した。 この大幅な利益の上昇は旅客数の増加によるもので、国内線の旅客数は前年度比13.6%増の667万人となり、国際線の旅客数は同13.1%増の251万人となった。 
  同社のブラッド・ギアッチズCEOは、「2007年7月-2008
年6月年度の大幅な利益の増加は、好調な西オーストラリア州の経済に支えられたものである。 オーストラリアのほかの空港の便数が抑制されているなか、各航空会社は、特に地方の経済成長が著しい西オーストラリア州に便数を増やしている。 資源部門の好調と航空機を利用した労働者の移動で、定期航空機やチャーター機の旅客数が過去3年間で2倍以上になっている」と話した。  (Source: Perth Airport, 26/11/08 "Perth Airport Reports Strong Growth and Solid Growth for 2007/08")

12月17日2008年 カンタス航空と南アフリカ航空とのコードシェアー運航を2年間延長
  来年、Vオーストラリア航空が南アフリカへ就航するのにともない、同路線におけるカンタス航空と南アフリカ航空とのコードシェアー運航が2年間延長されることになった。 これによって当局は同路線における航空会社同士の競争が高まるのを歓迎している。 国際航空委員会(IASC:International Air Services Commission)は当初、航空運賃が高く、旅客への恩恵が少ないとして、1年以上のコードシェアー運航の延期には消極的であった。 
  しかし、最近のオーストラリア政府と南アフリカ政府との航空協定の改定により、両国間の運航便数が増加した。 IASCは、「同路線がすぐに競争が激しくなることに満足している。 Vオーストラリア航空が来年10月にヨハネスブルグに就航すると発表したことは、競争が始まることを示唆している。 もし、Vオーストラリア航空が同路線に参入しなかったら、カンタス航空と南アフリカ航空とのコードシェアー運航の延長の可能性はほとんどなかったと思う」と話した。 (Source: Travel Weekly, 09/12/08 "Green light for codeshare deal")
12月17日2008年 ゴールドコースト/東京線を増便 − ジェットスター航空

  世界的な経済減速でも、格安航空会社ジェットスター航空の日本路線拡大は止めることが出来ない。 同社は昨日、来週木曜日から週5便で運航開始するゴールドコースト/東京線を、来年3月29日からデイリーにすると発表した。 この動きは日本円が豪ドルに対して高くなり、同社は日本線の販売強化に乗り出した。 ジェットスター航空は日本市場のなかでカンタス・グループの存在感の急先鋒となっており、この新しいサービスにより日本線は週21往復となっている。 同社のブルース・ブキャナンCEOは、日本路線の増便には前向きな反応が来ていると話す。 (Source: Australian, 12/12/08 "Jetstar is expanding its services to Japan")

12月10日2008年 シドニーでの第二空港の必要性を強調−アルバニーズ運輸相

  連邦政府は、シドニーでの第二空港の建設を推進しているが、候補地とされる場所からは拒否されている。 今日発表される航空グリーン・ペーパー(緑書:政策提案書)では、第二空港の建設候補地の調査を再開することになっている。 シドニー南西部にあるBadgery's Creekはすでに拒否されている。 
  連邦政府のアンソニー・アルバニーズ運輸相は、「シドニー南部のMascotにある現在の国際・国内線空港の取り扱い能力を考えると、2番目の空港を建設する必要がある。 現在のシドニー空港の離発着便数は1980年代と比べると3倍になっており、今後20年間にはさらに今の2倍になる。 新しい空港は世界的な都市としてのシドニーの将来に不可欠である。 このままではシドニー空港の将来は、夜間の離発着禁止時間を撤廃して、いつでも航空機が離発着できるようにするか、”満杯”の標識を掲げて、ほかの都市に旅客や貨物を移す選択肢しかない」と話した。
   第二空港の候補地としては、ニューサウスウェールズ州政府のネーサン・リース首相は、Newcastle近くのWilliamtownを候補として挙げている。 リース首相は、「第二空港はシドニー郊外に建設するのが良い。 Hunter地域が大きく開発されることを望むが、それには色々なことが必要となるので、連邦政府との連携が必要である」と話す。 
  一方、Hawkesbury のロバート・バセット市長は、「RichmondにあるRAAF(オーストラリア空軍)の基地を転用するという可能性はない。 Badgery's Creekでも問題になった水と空気の汚染問題が懸念される。 Hawkesburyはシドニーの人たちに供給している野菜を栽培している。 空港ができれば水と空気が汚染され、それらの野菜に大きな影響が出る」と否定的である。 アルバニーズ運輸相は、候補地は経済の成長、環境や地元の住民への影響を考慮して決めるとしている。 (Source: ABC, 02/12/08 "Albanese demands second Sydney airport")

12月10日2008年 英国航空との合併協議は結論が出るかどうかは不明−カンタス航空

  カンタス航空のアラン・ジョイスCEOは、英国航空と合併する前には、様々な重要な問題を解決する必要があるとしている。 同社は先週、英国航空が80億ドルを出資してカンタス航空と合併することが可能かどうかの協議をしたと発表している。 
  ジェフ・ディクソン前CEOからトップの座を引き継いだジョイスCEOは、「今回の交渉で結論が出る保証はない。 合併比率の合意、英国航空の年金基金の問題解決、広域な経済見通しなど、解決しなけばならない大きな問題が数多くある。 カンタス航空としては強い立場でこの交渉をしている。 カンタス航空の株主にとって最大の価値が得られるのなら交渉を継続していく。 今回の協議は、経済の後退と依然高い燃料費と戦う体力を強化するための航空業界の統合を背景としている。 合併によって、我々のサービスが強化され、また成長できる世界的規模の航空会社となる可能性を協議している。 これによって大幅な収入増加やコストの削減となり、最終的には我々の顧客、従業員、株主に利益をもたらす。 合併によって不安定で競争の激しいこの業界で、規模の大きな航空会社となれる。 世界の航空業界の競争は年々激しくなっている。 しかし、今回の合併協議は、我々の議題のひとつにしか過ぎず、この協議がカンタス航空のすべてを左右するものではない」と話した。 (Source: Adelaide Now, 08/12/08 "No guarantee on merger: Qantas")

12月10日2008年 また管制官が病欠で、空港が大混乱 − シドニー空港

  昨日(12月3日)シドニー空港で2人の管制官が病気で欠勤し、オーストラリア国内の旅客が大混乱となった。 午前中にシドニー空港に到着する航空機の便数が通常の半分となり、オーストラリアのほとんどの空港の国内線と国際線に大きな遅れが出た。 2人の管制官が12月2日の夜に勤務するAirservices Australiaに病気で欠勤する旨の電話をしてきたが、翌朝のシフ勤務トの交代要員を見つけることが出来なかった。 
  管制官の労働組合Civil Airのロバート・メイソン代表は、「交代要員が見つからなかった為に、その時間帯に勤務する管制官が4人になった。 それにより、通常シドニー空港では1時間当たり航空機が55便到着するのに28便に減った。 これは12月2日の夜には分かっていたことで、航空会社にも連絡している。 到着には最高2時間半の遅れが出た」と話した。 
  Airservices Australiaの広報担当は、「安全上の問題で1時間当たりの到着便数は削減されが、午後には通常の体制に戻った。 当然のことながら安全性を優先させた」と語った。 メイソン代表は、「現在、オーストラリア全体の管制官は750人いる。 しかし慢性的な管制官の不足は、少なくとも今後2年間は続く。 職務を全うするのに十分な職員の数がいないために、今後も問題は続く。 問題が起きれば、それを解決するために職員が時間外で対応するというシステムに頼っている。 これでは、Airservices Australiaが望んでいるような勤務条件で働こうとする職員を確保することは大変困難となっている。 現在、100人の職員が管制官になる訓練を受けているが、一人前になるには2年間はかかる」と話した。 
  今回と同様の混乱は10月初旬にも発生し、そのときは3人の管制官が病欠と電話してきた。 (Source: Daily Telegragh, 04/12/08 "Sick air traffic staff delay frustrated passengers")

12月03日2008年 政策金利を4ヶ月連続で引き下げ4.25%に − 豪連邦準備銀行

  連邦準備銀行(RBA)は政策金利を1%引き下げて4.25%とした。 これによってオーストラリアの中央銀行が4ヶ月連続で金利を引き下げたことになる。 アナリストたちは、連邦準備銀行が景気後退を防ぐための一環として、金利の引き下げに踏み切ることは予測していた。 今週後半に発表される年間経済成長率は、7−9月期を終えて2.7%から1.9%になると予想される。 連邦政府のウェン・スワン財務相は、「一般家庭や企業も今回の引き下げを歓迎している。 今回の連邦準備銀行による金利の引き下げは、我々が景気の浮揚やオーストラリアの雇用を守ろうとして努力している中、大変重要なものである」と話した。 (Source: ABC, 02/12/08 "Rates cut to 4.25pc")

12月03日2008年 利益予想を前年の半分に下方修正、運航数も削減−カンタス航空

  カンタス航空は、今年度の利益が前年度より大幅に減少することと、航空機を待機させることで運航便数を減らすと発表した。 国際線の旅客需要が減少し、航空機10機分の運航スケジュールの変更を余儀なくされた。 
  同社のジェフ・ディクソンCEOは、「リース契約を予定してた航空機2機をキャンセルし、2010年までに現在の運航パターンから、B747機を6機、B767機を3機、A320機を1機削減する。 そして、カンタス航空とジェットスター航空の国内線の拡大計画を休止する」と話した。 
  Centre for Asia Pacific Aviation社のピーター・ハービソン社長は、「カンタス航空が先週宣伝した”ひとり分の航空運賃で二人分のチケット”の販売は、いかに航空会社の業績が悪いかを物語っている。 この販売で増える前予約は、航空会社として非常に見苦しい。 カンタス航空が今年度の利益予想を、前年度の約半分に相当する5億ドルとしていることもみっともない。 原油価格が下がっているのは追い風であるが、経済状況の逆風で需要が下がっているの重要な問題である。 そして来年度はもっとひどくなる気がする」と話す。 
  ディクソンCEOは、今年はじめに発表した1.500人の人員削減計画は予定通り行なうとしている。 (Source: ABC, 25/11/08 "Qantas plans flight cutbacks")

12月03日2008年 ブリスベン/バリ線の再開を延期−ガルーダ・インドネシア航空
  ガルーダ・インドネシア航空は、前売りチケットの販売が不振であることから、ブリスベン/バリ線の運航再開を延期した。 
  同社のオーストラリア・南西パシフィック地区シニアー・ゼネラル・マネージャーのPoerwoko Soeparyono氏は、「我々は、旅客市場が好転するまで運航再開を延期するが、クイーンズランド州の人たちにバリ行きのサービスを提供することは今後も約束する。 思いがけないオーストラリアでのバリへの渡航注意勧告や、経済の減速がクリスマスの予約状況に影響した。 しかし、このような低調な予約状況は一時的なものと確信している。 バリはオーストラリアにとって最も人気のあるホリデー・デスティネーションで、近い将来戻ってくる」と話した。 (Source: Aircargo Asia-Pacific, 28/11/08 "Garuda postpones Brisbane start-up")